フーガはユーガ/伊坂幸太郎
読書の夏!ということで、ここ最近全然読んでいなかった小説を貪るように読んでいます。
いろんなことをすぐ忘れちゃうから、ログを残しておこうかなと思いたちました。
ネタバレしないように、感想を。
フーガはユーガ/伊坂幸太郎のあらすじ
双子の優我と風我。
ある日気づいた、不思議な現象。
誕生日にだけ、2時間おきに起きる、二人だけの特別な「アレ」。
誕生日に「アレ」が起きること以外は、至って普通の、とはいえ暴力的な父親がいるから家庭環境的には一般的に普通とされる環境とは程遠いのだけれど、兄弟の話。
フーガはユーガ/伊坂幸太郎の感想
優我によって語られる、幼い時から今までの物語が、線になって繋がって最後にくっきりと輪郭を表すのが面白い。
伊坂さんの作品には不思議な力が持っている人たちがよく出てくるけど、今回も、そう。
でも、不思議な力があっても、父親には暴力で支配されるし、家は居心地が悪いままだし、不死身なわけではない。
むしろその不思議な力のせいで余計な心配事が増えているとも言える。
だけど、二人は手強い。
一人じゃないって心強い。
しかもそれが年の差がある兄弟ではなく、双子なのがよい。
風我が高校卒業後に就職することを選んだ時、心配した高校の先生に
「俺たち二人で一人前、という形でやっていくんで」
って言ってるところが印象に残ってる。
先生が
「僕たち音楽ユニットを組むことにしたんで、みたいな言い方をするなよ」
って返すところまで含めて好き。笑
私たちは、自分の人生以外を生きることはできないけれど、優我と風我はそれぞれ別の道を歩んでも、それを自分自身の人生として捉えることができるのか。
それはすっごくお得だな。ってちょっと羨ましくもなったり。
時間の流れが過去から現在に移行してから最後の方は、展開が面白くてページをめくる手が止まらず。
なんというか、ギアが1段上がるというか。
今までの出来事や事件がつながり始めて、伏線をガーって回収しながら加速する感じがたまらない。
楽しい読書体験でした。
伊坂さんありがとうございました!
フーガはユーガ/伊坂幸太郎